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社団法人福山青年会議所
福山市西町2-10-1
福山商工会議所7階
TEL 084-922-5992
FAX 084-931-4834

 


理事長 大島衣恵

はじめに

 千四百年ほど昔、かの聖徳太子はこの国初めての成文法である、憲法十七条を記しました。国の政務に携わる者の道徳を示したその文頭には「和を以って尊しとなす」とあります。
「和」とは、安易に相手に同調することではなく、自分の信じるところをしっかりと持ち、相手との相違を認め合った上で、調和することを言います。そのためには双方が自分の私利私欲を離れ、公を想う心構えで対話しなければなりません。 はるかな時を経た現代、私は太子の唱えた「和」の心こそ、私たち青年会議所メンバーが目指すべき道ではないかと思います。 「和」という言葉には、「なごむ」「やわらぐ」という意味もあります。青年会議所が目指す「明るい豊かな社会」とは、誰もが「和やか」で「和らいだ」心で生きることの出来る社会であり、その実現のために私たちは運動を行なうべきなのです。 また「わ」は「話」、「輪」に通じる言葉でもあります。
互いが和の心をもって対話を重ねることで絆が深まり、そこから人の輪が生まれてくるでしょう。そしてその輪を青年会議所から地域へ、地域から国へ、そして世界へと大きく広げてゆくことが今私たちに求められていることではないでしょうか。
 和と話と輪、この三つの「わ」を以って、2009年度青年会議所運動を展開してまいります。

 
 

50周年に向けて

 2010年、(社)福山青年会議所は創立から50周年の大きな節目の時を迎えます。創立時に策定された「福山青年会議所創立趣意書」を紐解くとき、先輩方が掲げられた志の気高さに深い感銘を覚えます。また同時に、世の中の状況は変わっても我々青年の果たすべき役割、目指すべき目的に変わりは無いことを実感します。
 50周年を目前に控えた本年度は、創立時からの運動の軌跡を見直し、先輩方の展開されてきた事業を振り返ることを通して、未来への指針を築いてまいります。50年の間に世の中は、どのように移り変わり、このまちにどのような変化があったのか。またそれに伴い、(社)福山青年会議所はどのような運動を展開してきたのか。そして私たちはこれから、このまちのために何をするべきなのかを示したいと考えます。
温故知新の言葉があるように、歴史に学ぶことが、未来を考える上で有用なカギになると思うのです。(社)福山青年会議所の未来を描くためにも、メンバー全員で50周年に向けて準備をしてまいりましょう。

 
 

和の心を学び育むまちへ

 日本は古来より「和の国」とも言われてきました。「和」とは、違ったものが仲良く調和して程よい状態になることです。そこから派生して、和といえばヤマトすなわち日本を意味することとなったのです。その日本の「和」の心を現代に伝える、和の文化。そこには人間同士はもとより、自然や古の人々との魂の交流をも可能にする、心豊かな世界があります。
諍いや戦争の絶えない現在、世界中でこの和の心が求められています。私たちの国や地域で育まれてきた「和」が、今まさに必要なときなのです。 しかしながら現代の日本で、そして私たちのまちで「和」の文化やその心がどれほど人々に根付いているといえるでしょうか?世界へ和の心を伝えるためにも、自分の生まれ育った国や地域に誇りを持つためにも、私たち自身がふるさとの文化や伝統行事の担い手となって、市民と共に実践していく活動を展開したいと考えます。
幸いにも福山には、このまちで育まれた伝統的な文化や、地域の伝統行事であるまつりが伝えられています。それらを単に保存するのではなく、現代により息づいたものにすることが大切なのです。そのためには、市民一人ひとりの文化に対する意識を高めていく必要があります。  伝統文化の中にある「和」の心を学び育む場を作ること。そして市民と共に本当の意味で「和」が息づくまちにしていくこと。そのことを通して私たちのまち福山を、一層魅力的なまちにしていきましょう。

 
 

対話によるまちづくりの推進

「話」とは文字通り話すこと、対話することです。現代ほど価値観が多様化し、国を越えた文物の交流が盛んに行なわれる時代はなかったかも知れません。多様性が共存する時代だからこそ、様々な意見の人同士が一所に集い、対話できる場が必要だと考えます。 現代社会は凄まじいまでの文明の発達により、ますます簡便でデジタルなものになろうとしています。しかしそのために和の国の誇りであった自然を破壊し、豊かな緑や美しい水を汚してしまっていることも事実です。誰もが実感を持つようになってきた温暖化現象。近年の局地的な豪雨や地震などの災害は、自然が私たち人間の傲慢さを戒めるためなのではないかという恐れを感じます。これも、人々が自然との対話を忘れてしまったことに原因があるのではないでしょうか。私たちの祖先は自然を敬い、対話し、調和していくことを最も大切にしてきたはずです。その精神こそ、現代に必要とされる和の心そのものなのです。
 また、希望に満ちたまちづくり運動を進めるために、まちの歴史や文化を通して、先人と現代の私たちが心の対話をしていくことが必要であると考えます。そこから、未来へ向かって歩むべき道や、まちの特性を活かしたまちづくりのあり方などが見えてくるのです。そしてその実現のために、このまちの人々が真の対話を重ねてゆくことが重要であると考えます。その対話の場を生み出すことは、まちづくりの主体的仲介者である青年会議所に求められる大きな役割なのです。思想の相違を恐れず、和の心を持って対話できるまちをつくってまいりましょう。

 
 

つよくやさしいJayceeの育成

まちづくりは即ち人づくりである、と言われます。青年経済人である私たちが、和の心をそれぞれの企業や地域、家庭の中で活かしていくことがまちづくりの大切な一歩となるでしょう。和の心とは、他者へのやさしさを持ちながらも、自身の信じるところを曲げない強さを併せ持つ心です。そのつよくやさしい和の心を持ったJayceeの育成が、JCのまちづくり運動を推し進めていくためにも必定であると考えます。 また、まちづくりの担い手に必要なのは、自分たちのまちのことをよく知る、ということです。
現在のまちの状況だけではなく、まちの歴史やまちに育った文化を知り、それらを身につけた上で更に発展させていくことが、まちづくりのリーダーに望まれていることなのです。
JCは「明るい豊かな社会の実現」を目指す団体です。JC宣言や綱領にも謳われているように、その理念は大変素晴らしい、理想に満ちたものです。JCの目指す社会の実現のためには、その運動を力強く担うJayceeを一人でも多く育成する必要があります。会員拡大だけに留まらず、新たに会員となった仲間と現役メンバーが、JCの理想に向けて共に自らの資質を高めていきましょう。つよくやさしいJayceeとなるために。

 
   

未来へ羽ばたく青少年の育成

近年、子どもたちの心の問題が社会全体の問題になってきています。その問題の根底には、子どもたちを取り巻く様々な関係の中で、対話することや心の交流を深めることがなおざりになっている現状があるのではないでしょうか。顔を合わせて話をしているようでも、実は心が置き去りにされている、そんな寂しさを抱えた子どもたちが多くなっているのかも知れません。
青年会議所活動の大切な役割の一つである地域の青少年育成活動においても、対話の重要性を見直し、和の心を育んでいきたいと考えます。自分たちはどこから来てどこへいこうとするのか。私たちが生まれてきた世界にはどんな意味や価値があるのか。子どもたちの素朴で深い疑問や悩みに答え、生きる喜びを見出す手助けをするために、世代を越えた心の対話ができる場を作りたいと考えています。
福山青年会議所では長年、グリーンリーダーズスクールを通した青少年育成活動を行なってまいりました。グリーンリーダーズスクールは青少年育成において重要な役割を担っていますが、私たちはその活動だけに留まらず、次のステップを踏んでいくことも必要だと考えます。 学校や地域での子どもたちの現状を見聞きするにつけ、特に多感な中高生の子どもたちに、地域社会の一員であることの自覚を促す必要があると感じています。そのために、まずは自分たちが地域の輪の中で生きている事を実感して欲しいのです。その実感を持つからこそ地域のこと、社会のことを考え、自分たちに何ができるのかを考える青少年が育つと考えます。
青年会議所が日本各地、また世界各国に持つネットワークを青少年育成活動においても活用し、広い視野で地域の未来を考える青少年を育んでまいりましょう。
子どもたちは未来へと羽ばたく、輝かしい存在です。このまちをふるさととして育ち、それぞれの未来へ羽ばたく子どもたちには、自分のまちや地域を愛し誇りをもって欲しいと願っています。そのことが自分自身への誇りにつながり、心のつよさとやさしさを育むことにもなるでしょう。自分や周りの人たちを愛するように、このまちを愛する心と誇りを持った青少年の育成に努めてまいります。

 
 

世界へ広がるつながりの輪

青年会議所の理念は、世界中の青年会議所が共通とするものです。しかし、それを具現化する手法や展開される事業は大変バラエティに富んでいます。各種大会に参加して、開催されるセミナーを受講したり、各地のメンバーと交流する中に沢山の発見があることでしょう。そこで得たものは、私たちのLOMの活動にも奥行きと広がりを与えてくれます。同じまちにくらすメンバー同士だけでは見えてこなかった運動のあり方や問題の解決策など、他LOMの手法や考え方を知ることで見えてくることも多くあるはずです。また青年会議所は、世界中に人の輪を持つ団体です。国を越えた人との出会いも、青年会議所ならではの力強いつながりとなって多くの学びを得ることが出来るでしょう。この大きな人の輪に積極的に参加して、そこで得た学びをLOMに持ち帰り、LOMの向上を図ってまいりましょう。
 そのためにも、出向に挑戦して新しい出会いの輪を広げている出向者への支援を、より力強いものにしていきたいと考えます。出向者は(社)福山青年会議所を代表し、LOMの看板を背負う気概をもって活動しています。出向者の活躍は私たちのLOMにとって、将来に渡って大きな力となるものなのです。出向者が各地で活きいきと活躍できるよう、LOM全体で支援してまいります。
 また近年、世界の国々からこのまちを訪れる人、長中期にわたってこのまちに暮らす人も増えてきています。それぞれのアイデンティティを持ちながらこのまちに集う人々と市民の間に、交流の輪を広げていきましょう。交流の機会を作り和の心を通わせることで、互いの信頼関係とつながりの輪を築きたいと思います。私たちのまちから、世界へ広がるつながりの輪を育ててまいりましょう。

 
 

地域に根ざしたJC運動の発信

青年会議所運動の輪を広げるために、忘れてならないのが対外的な広報活動です。どんなに素晴らしい事業を展開しても、それがまちの人々に知られ賛同を得ることが出来なければ、その事業は志半ばで終わってしまうことになるでしょう。LOMの仲間だけで充足してしまうのではなく、私たちの活動を世に問うことで、本当にまちに必要なJC運動を目指したいと考えます。 また行なう事業についての広報だけではなくJC運動の理念や活動の方針そのものも、広く地域に発信してまいりたいと考えます。私たちの目指す志に共感する人が地域に増えていくことは、運動を進めていく上で大きな力になるのです。広報の手法についても充実を図り、各種メディアとの連携を密にしたJC運動の発信に努めてまいります。
これらの積極的な運動の発信を通して(社)福山青年会議所の活動を、より地域に根ざしたものにしてまいりましょう。 またメンバー同士の情報の共有も大切です。各委員会の活動、出向者の活躍などメンバー全員が、互いに理解を深めることを忘れてはなりません。対内広報の枠に留まらず、各種会議や例会等での情報共有を確実に行うことで皆の意識を一つにし、高めていきたいと考えます。そして私たち自身の輪を、より強く確かなものにしていきましょう。

 
 

三つの「わ」を束ねる要

青年会議所の活動の基本は、メンバー全員が集う唯一の場、「例会」です。 「例会」はそれぞれの委員会や出向先での活動を報告し合い、運動の方向性を確認し、互いの活力と資質を高めることの出来る大切な場です。そこで得た知識や活力を、それぞれの活動の原動力として活かしてまいりましょう。月に一度の貴重な場「例会」を、私たちの学びの場と捉えてより充実した運営を図ってまいります。
また私たちの組織は近い将来、大きな選択を迫られています。公益法人法の改正に伴い、組織のあり方や運営について、根本から見直す必要性が出てきています。これは単に私たちの組織のことだけでなく世の中全体のこと、公を考えることでもあるのです。公を語り議論するためには、私たち一人ひとりがもっと学ばなければなりません。昨年から引き続き公益法人化についての議論を深め、青年会議所の社会での位置づけや組織のあり方を皆で考えてまいりましょう。
青年会議所の様々な事業や例会を有意義なものにするため最重要なことは、皆が意見を交わして議論すること、会議を行なうことです。どんな事業も、会議を経ないで行なう事はできません。そして、その議論は各種の事業や活動を発展的に、よりよいものに磨くためのものでなければなりません。三つの「わ」の心をもって、お互いに率直な意見を交わせる組織でありたいと思います。その「わ」を束ねる諸会議や例会の運営が、私たちの組織の要である事は言うまでもありません。要の重要性を改めて認識し、常に風通しの良い、引き締まった運営を行なってまいります。

 
 

おわりに

人間はみな完全なものではありませんし、一人ひとりの力は小さなものでしかないでしょう。しかし、互いの違いを恐れず、しっかりと対話のできる人の輪を築くことで、和の心に満ちた「明るい豊かな社会」が実現できると信じています。 憲法十七条の結びにはこうあります。「衆(もろもろ)とあい弁(わきま)ふるときは辞(こと)すなわち理(ことわり)を得(う)」皆とよく議論をすれば、ものごとは道理を得て正しい道に進めるであろう。
太子の描いた理想を胸に抱きながら、(社)福山青年会議所メンバーと共に、この道をしっかりと歩んでまいります。

 
 

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