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理事長所信

はじめに

 3.11東日本大震災の発生時、私は広島から羽田空港へ向かう飛行機の機内に居ました。機長アナウンスのただならぬ雰囲気を感じながら、羽田空港へ降り立った飛行機は、滑走路中央に何機も横付けされた緊急着陸の飛行機群の一端に並びました。ふと窓の外に目をやると赤々と燃え上がるコンビナートが映り、何とも言えぬ恐怖感に襲われました。
 機内に数時間閉じ込められた後、言われるままに誘導されてたどり着いた羽田空港は、市街地への交通路を絶たれ、もはや陸の孤島となっていました。そして、そこにごった返す人々が、今夜全員この施設に寝泊まりしなければならないと気付かされるまで、それほどの時間はかかりませんでした。
 その日の深夜、余震の続く中、どうしようかと茫然として座り込んでいた時、ふと隣に目をやると、冷たい床の上で毛布にくるまり不安そうに横になっているお婆さんと幼い女の子の姿を目にしました。青年として、男として、何もしてあげられない自分の無力感に、ただただ無念の想いを抱きながら一晩を過ごしました。

 誰もが考えもしないような自然の猛威をまざまざと見せつけられ、ただ茫然とするしかない人間の無力感を感じ、それでも私たちは未来に向けて一歩ずつ前進していく必要がある。崇高な理念を掲げ、目標に向かってお互いを勇気づけ、能力を高めながら自己の成長を通して、人々に希望を与えていく・・・これこそがEmPowerであります。

EmPower Global Leaders

 2010年に筑波で開催された国際アカデミーにデリゲイツとして参加させていただいた私は、世界各地より来日した多くの同世代有志が、胸の中に大きな矜持を確立していることに、大変なショックと同時に大きな感激を覚えました。いわゆる途上国、後進国といわれる国のリーダー同志は、本当にその国の未来を憂い、大きな夢を抱き、素晴らしい志を持って、日本を訪れてきます。自国の14歳以下妊娠率を憂いている同志、自国の少年たちに蔓延するドラッグの問題に本気で取り組んでいる同志、真の民主化に向けて大きく運動を展開しようとしている同志、彼らの熱き想いにじかに触れた時、日本人の青年として心動かされない訳はありません。
 明治維新により、かつて日本人は閉ざされた国から世界に門戸を開きました。外国の近代的文化を取り入れ、大きく経済成長を成し遂げました。しかしながら、日本人はもっともっと積極的に、外国人との心の交流に力を入れていく余地があると感じます。子供たちが未来に向かって真のグローバルリーダーとなる社会を創る為に、今を生きる私たちが国際社会に対してアクティブに行動を起こす・・・明治維新以降の物質的開国の時代は終焉し、日本人が真の「精神的開国」を成し遂げられることが求められていると痛切に感じます。言語の壁、文化の壁、価値観の壁を超越して、積極果敢に、自由闊達に、そしてよりアクティブにグローバルな世界へ視点を高めようではありませんか!
 2011年、JCI FUKUYAMAはその魁として、第66代JCI会頭、原田憲太郎君を輩出いたしました。世界のJCのトップリーダーを、この福山の地から生み出したことには、大変大きな意味があると思います。それは、私たちJCメンバーが、福山青年会議所が秘めている大きな可能性を自覚し、そして誇りと自信を持って国際舞台への挑戦を続けていくときを迎えているという事です。
 JCI FUKUYAMAは、2013年度の第26回国際アカデミー福山開催へ向けて、しっかりとした誘致活動と準備を行って参ります。世界各地のグローバルリーダーが世界の中心「福山」に集結し、我が故郷福山の素晴らしさ、そして日本の精神を、お互い啓発し合える最高の機会を創出いたします。


EmPower FUKUYAMA

 2011年7月、羽田市長は5年後の市制施行100年へ向けて、「市制施行95周年メモリアル宣言」を発布いたしました。その末文に福山市は、「あらゆる人々が幸せを感じられる福のまち福山」の実現を目指すと明言してあります。そこで本年、福山青年会議所はこのコンセプトの下、多くの市民がワクワクしながら、感性豊かにそして自由闊達に「福の山のまち」「縁起のいいまち」福山の将来像について話し合える最高のフィールドとして「福山まちづくりサミット」を開催いたします。市民一人ひとりがまちづくりに真剣に、そして楽しく参画し、誰しもが福山大好き!と言えるようになる日を目指して・・・
 いま、I LOVE FUKUYAMAから、WE LOVE FUKUYAMAへ。


EmPower Active Citizen

 2008年に行われた福山市長選挙の有効投票率は、29%という中核市としては、極めて低い数字となりました。殆どの市民が各々の持っている政治参画の権利を放棄し、投票行動を起こさないという状態はとても真の民主政治とは言えません。私たち市民が、民主政治を基盤に生活を送っている以上、どんな理屈よりもまず投票率を改善しなければなりません。そこで本年は、市民の政治参画への意識向上の為にも、選挙候補者の公開討論会の開催を行います。と同時に1950年に施行され、大幅な改正のない公職選挙法の見直しも率先して取り組んでいきます。
 また、福山青年会議所が長年携わってきたばら祭、夏まつりは、更に進化、深化と発展させて参ります。その為には、より多くの市民がワクワクし、楽しみになるような祭の演出が必須であります。祭企画実行委員会が長年蓄えてきた経験と、市民の斬新なアイデアを結集して記憶に残るばら祭と夏祭りを創ります。加えて来るべき2022年の福山城築城400年へ向けて、福山城大祭へと繋がる秋まつりを創出し、1年を通して活気ある福山を演出して参ります。


EmPower Spirit

 日本人が古来より温めて大切にしてきた「徳」の教え、それは「お天道様が見ているよ」と幼い頃から言われて育った私たち日本人の精神性の根源であります。そしてこの精神性は、今まで幾度も日本国が苦難に陥った時に、人々の内面から溢れ出でて多くの艱難を乗り越えさせてくれました。この3.11東日本大震災発生時も、電車のストップした駅の階段で、行き交う人の邪魔にならぬよう真ん中を空けて座り込む人々の写真は、日本人の精神性の高さを象徴しているとして世界中から賞賛を受けました。
 環境、教育、ビジネス・・・今、色々な場面で、日本人の徳の高さが世界から注目されているという事実を、私たちはしっかりと認識する必要があります。そして、この素晴らしい精神性を絶やさぬよう、次世代へ継承していく事が大切であります。その為に、まず私たち自身が、しっかりと徳の精神を見つめ直し、日々実践をする事で、未来の子供たちの手本となるよう努めて参ります。


EmPower JCI Members

 政治的、経済的、環境的不安定の中で、人々が新たな一歩を踏み出すことに躊躇するのは、仕方のない事なのかもしれません。しかし、そのような背景にあるからこそ、勇気を持って、率先して一歩踏み出す事が、私たち青年世代の大きな役割だと感じます。そして、そのEmPowerされた青年の同志は、多ければ多いほど相乗効果を発揮し、組織の潜在能力を開花させると信じています。その為にも、多くの青年同志を募り、会員の拡大を積極的に推し進めることが必要であります。共に夢を語り、希望を抱き、未来を創る仲間を発掘し、会員の増強に臨んで参ります。


EmPower Family

今の世界は、混乱していると思います。
皆、とても忙しそうで、開発や、もっと豊かになることに
とらわれているようです。
そこには、ひどい苦しみがあります。
家庭や家族との生活には、
ほんのわずかばかりの愛しかないからです。
子どもたちのための時間も、
お互いのための時間もないありさまです。
お互いが喜びを分かち合う時間などは
全くないのです。
こうして、世界平和の崩壊は、
家庭から始まるのです。
マザー・テレサ

 国際の舞台が私たちの活躍する最大のユニットであるならば、その対極にあるのが家族というユニットであります。自分が例えどんな苦境に陥ったとしても、最後の最後に愛の手を差し伸べてくれるのは、もっとも身近な家族であると私は痛切な想いを抱いております。そして、そのような家族の存在をおざなりにして、会社の繁栄や地域貢献、ひいては世界の恒久的平和という国際貢献は、不可能であると考えます。そこでまずは、人生のパートナーや、親兄弟、子供たちの幸せな笑顔を創り上げることを大切にしていきます。

「世界平和を唱えても、そして例え世の為、人の為にと言ったところで、結局は周りの人を大切にすることから始まる。一人の人をも大切に出来ない人が、どうして人々を大切に出来るでしょうか?」

 本年、福山青年会議所は、家族への感謝の気持ちを大切にした交流の機会を積極的に創出して参ります。


EmPower Children

 1975年に福山市緑化推進協議会から派生して始まった福山グリーンパトロール青年団は、その後、福山グリーンリーダーズと名を改め、リーダーシップを学んだ多くの子供たちが卒業していきました。また、福山青年会議所が行ってきた青少年育成事業は、屋久島へ旅する地球市民号や、劇団四季演出による本格ミュージカルなどに代表されるように、本当に子供たちの記憶に残り、その後の人生観に影響を及ぼす素晴らしい体験を与えて参りました。少年期に鮮烈に残る記憶は、その人の人生を左右するほどの影響力を及ぼします。私たち青年が、子供たちに素晴らしい国際体験を施し、その子供たちがやがて世界のグローバルリーダーとして活躍するならば、これほど有意義でやりがいのある事業はないと思います。本年、福山青年会議所は、積極的な国際交流を通して、子供たちに夢と感動を与え、記憶に残る事業を推進して参ります。


EmPower World Peace

 2000年に国連が採択したミレニアム開発目標(MDGs : Millennium Development Goals)では、より良い世界を創り上げる為、8つの具体的目標を2015年までに達成することを掲げており、JCIもこれを積極的に推進しています。この全世界的目標を私たちは市民レベルで浸透させ、より多くの人々の力で達成へ向けて行かなくてはなりません。企業が、人権、労働基準、環境、腐敗防止を原則としたCSR(企業の社会的責任)をコミットメントする為の取り組みであるGlobal Compact事業。今現在も、5歳未満の子供たちが30秒に一人、年間百万人も死亡している原因であるマラリアを撲滅する為、蚊帳を送り届けるNothingButNets活動。恒久的世界平和の実現の為、日本人が古来より培ってきた利他の精神を世界に広めるOMOIYARI運動。本年、福山青年会議所は、世界平和の推進を福山から発信するべく、Global Compact事業、NothingButNets活動、OMOIYARI運動の啓蒙活動を積極的に行って参ります。


EmPower Opportunity

 近年の福山青年会議所は、世界会議やASPACといった国際舞台に携わることのできる素晴らしい機会を数多く頂きました。そしてその中で、多くのメンバーが自分自身の能力、資質を高める事の出来るDevelopment Opportunityを実際に体験し、自己の成長を感じさせていただきました。昨年のASPACフィリピン大会において、国際スピーチコンペティションに日本代表として参加した籔田健一君の例のように、素晴らしい体験の機会を通してメンバーの価値観や人生観が変わっていきます。青年会議所の活動フィールドには、自己成長を促してくれる実に多くの宝が眠っているのです!
 本年、福山青年会議所は、積極的な渉外活動を通して、メンバー一人ひとりが大きく成長できる場、Development Opportunityを創出して参ります。


EmPower Social Network

 3.11東日本大震災発生時、羽田空港に閉じ込められた私は、携帯電話が繋がらず、多くの仲間の安否確認がお互いに取りあえない不安な状況下にいました。そんな時、多くの海外デリゲイツ仲間がFaceBookによる励ましや気遣いのメッセージを下さった事は、どれほど私の心に勇気を与えてくれたことか言い尽くせません。今や7億人超のユーザーで、世界3番目の国家と例えられるFaceBookは、単なる通信ツールを超越して、国家そのものを民主化へ動かすほどの威力を持っています。時代は、単なる双方向の情報交換から、シナプスのように繋がるSocial Networkへの変革を大きく迎えております。本年、福山青年会議所は、その活動の一環として、発信、受信という従来の広報活動を超えたSocial Networkの構築に全力で取り組んで参ります。


EmPower JCI FUKUYAMA

 2011年度国際青年会議所会頭として素晴らしい人財、原田憲太郎君を輩出したJCI FUKUYAMAは、今や世界中からとてつもないポテンシャルを持つLOMと認識されています。まさに世界の中心「福山」となったこのまちの青年会議所は、常に新たなチャレンジを繰り返し、オンリーワンのLOMとして輝き続けていくことでしょう。そこで、青年会議所の活動の基軸となる例会、理事会については、出席する度に内面からモチベーションの湧きおこるワクワクの感性を大切にした土壌創りに努めて参ります。外部から与えられた強制力によるモチベーションは、一時的には大きな成果を上げますが、決して長続きしません。一方で、自分の内面から生まれる真のモチベーションは、人生の使命となって創造力と行動力を湧水のように溢れさせます。信賞必罰、いわゆるアメとムチの外部から与えられたモチベーションでなく、自分の内面から湧き出てくる淀みないモチベーションを導き出し、JCI FUKUYAMAをEmPowerし続けて参ります。

終わりに

「命もいらぬ、名もいらぬ、官位も金もいらぬ、

こういう男は始末に困る
しかし、こういう始末に困る男でないと、
国家の大患難を乗り越えることは出来ぬ」
西郷南洲

 私が敬愛して止まない最高級の日本人、大西郷の言葉はいつの日にも私を奮い立たせ、EmPowerし続けてくれました。
 そして今、環境、政治、経済あらゆる面で、これほどの国難と言える時を迎えたことはありません。多くの人々が価値観の大転換を迎えようとしているこの時に、天から与えられたこの青年会議所の使命を、私は全身全霊を籠めて全ういたします。

世界の平和のために、家族の笑顔のために、
そして未来を創りだしゆく全ての子どもたちのために...EmPower Myself


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広島県福山市西町2-10-1
福山商工会議所7階

TEL:084-922-5992
FAX:084-931-4834



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